テトラ菌を活用した水質浄化

海・河川・湖沼の直接浄化

家庭雑排水が処理不十分のままに流入している河川はまだまだ多く、悪臭やヘドロの蓄積など環境を損ねています。これらがたどり着く先の内湾や湖沼等も、窒素やリンなどの富栄養化により植物プランクトンが大量発生し、赤潮やアオコなどの利水障害を起こしています。

テトラ菌による自然水域の直接浄化は、微生物製剤を直接河川や湖沼に投与することにより、自然の自浄作用を活性化して浄化を進めます。大規模なプラント設備を必要としないので、敷地の制約もなく低コストで取り組むことが出来ます。

自然との共生により水質の改善を図ります。

図:閉鎖性水域の汚濁の浄化の機構

図:閉鎖性水域の汚濁の浄化の機構

(1)テトラ菌の効果

  • 水圏の環境を整え、食物連鎖高次の微生物及び原生動物の増殖を促進します。
  • 難分解性物質を分解して、酸化的環境を作ります。
  • 水のpHを調整して植物プランクトンの発生を抑制します。
  • これらの相互作用によって環境の自浄作用を活性化し、水域の浄化を図ります。

(2)微生物による浄化の利点

  • 大規模な施設を必要としないため、省エネルギーで管理も容易です。
  • 自然の力による浄化のため、安全で環境にやさいしい方法です。
  • 有害副産物の発生がありません。
  • 小さな池から大規模水域まで応用が可能です。

海・河川・湖沼の直接浄化の実証例

平成9年から5ヵ年計画で行われた茨城県地域結集型共同研究事業では霞ヶ浦水質浄化プロジェクトに参加し、有用高機能微生物の応用化技術の開発に取り組みました。

実証例1.生活排水が流入する河川の浄化

テトラ菌自動投入機

テトラ菌自動投入機

汚濁した河川にバイパス式の浄化装置を設置し、定期的に微生物製剤(テトラ菌)を投入することで浄化の促進を試みた。滞留時間4時間でBOD74%、全窒素39%、全リン57%の浄化率が得られた。

河川の浄化前

河川の浄化前

河川の浄化後

河川の浄化後

項目(mg/l) 原水 一般処理水 除去(%)
BOD 24.6 6.5 73.6
COD 17.9 8.5 52.5
T-N 10.4 6.32 39.2
T-P 0.86 0.37 57.0
SS 19 3 84.2
透視度 35 100<
生活排水が流入する河川の浄化

図.生活排水が流入する河川の浄化

実証例2.生活排水が流入する用水池の浄化

用水池の浄化後

用水池の浄化後

汚濁した用水池に微生物製剤(テトラ菌)を投与し直接浄化を試みた。浄化4年目と製剤の投入を行わなかった年を比較すると、BOD48%、COD39%の浄化率が得られた。

テトラ菌投入中

テトラ菌投入中

テトラ菌自動投入機

テトラ菌自動投入機

図.池の水質の変化

図.池の水質の変化

図.用水池の浄化

図.用水池の浄化

生活排水・工場排水処理

工場や下水などの汚水処理の多くは微生物による浄化施設を採用しています。微生物が増殖する時に汚水の成分を栄養として利用するために、分解除去されます。

テトラ菌の添加により処理施設の微生物相を改善し、処理能力を向上させます。

図:テトラ菌の排水浄化への作用構

(1)テトラ菌の効果

  • 油脂類などの難分解性物質を分解し、処理水質を向上します。
  • 高負荷や活性化の低い汚水など、微生物の増殖の悪い場合に活性汚泥の形成を助けます。
  • 原生動物等の食物連鎖高次の微生物の増殖を促進し、浄化能力を向上すると共に余剰汚泥を削減します。

(2)使用方法

  • テトラ菌を原水又は曝気槽に定期的に添加します。
  • 自投与量は施設の構成、負荷濃度、処理水量等によって決定します。

生活排水・工場排水処理の実証例

実証例1.食品工場排水処理(茨城県内)

業種 食品工場
排水量 30m3/日(水道水15m3、地下水1515m3)
処理方法
  • 初回各槽にテトラ菌WT-Iを2.5kgずつ投入
  • 以後、週2回、2ヶ所(流入層)にテトラ菌WT-Iを2kgずつ投入
投入量
  • 初回 2.5kg×16ヵ月
  • 次回より 4kg/回 週2回
試験期間 28日
テトラ菌総投入量 72kg

曝気槽No1

平成19年4月19日曝気槽No2撮影

平成19年4月19日撮影

平成19年5月19日曝気槽No2撮影

1ヵ月後

曝気槽No2

平成19年4月19日曝気槽No2撮影

平成19年4月19日撮影

平成19年5月19日曝気槽No2撮影

1ヵ月後

実証例1.飲食店排水処理(茨城県内)

業種 飲食レストラン店舗
排水量 8~10m3/日
浄化槽
  • グリストラップ(油脂分離4マス)
  • K社浄化槽(膜式)
処理方法
  • テトラ菌(WT-1)を初期立上がるまで500g/日(1~2ヶ月程度)
  • 以後、安定したら週2回投入

グリストラップ

グリストラップ-テトラ投入前

テトラ投入前

グリストラップ-投入8ヵ月後

投入8ヵ月後

油脂分離マス

油脂分離マス-テトラ投入前

テトラ投入前

油脂分離マス-投入8ヵ月後

投入8ヵ月後